鍼灸治療の後の留意点

初めて鍼治療をするときは不安が付きものですよね?
そんな時にご注意いただきたい点についてまとめました。

1.適度な水分摂取

鍼灸治療は滞った血流を改善して細胞の新生を促すため、定期的な治療を受けることで免疫機能が向上します。

治療後の適切な水分摂取は、血中や組織間に鬱滞していた老廃物や疲労物質などの有害物質(毒素)が腎臓へ流れ、尿として体外へ排出されやすくなります(デトックス効果)。

季節に関わらず、なるべく水分は体温に近い温度のものを摂取するのが理想です。クエン酸入りの黒酢ジュースやレモンジュースは筋肉の回復を早めます。

2.運動などは控える

激しい運動は骨格筋(横紋筋)の融解を促すことがあるので治療直後の筋トレは良くありません。

施術の後は、安静にするのが理想です。
一晩寝てゆっくりしてください。
そして翌日以降は通常通り過ごして頂いて構いませんが、完治するまでは患部に負担がかからないように、なるべく軽めの運動を心掛けて下さい。

3.マッサージは控え目に

治療後2日程度は内出血が起こりやすいので、患部のマッサージは控えて下さい。

刺鍼部位に残る筋肉痛のようなダルさは2日程度で自然に治まるので、患部は冷やさないようにして放っておきましょう。

4.好転反応(瞑眩)を恐れないで

一度の施術だけでは弛みにくいほど、筋肉が硬く硬直していた場合など、治療後一時的に悪化したかのような症状が出ることがあります。

例えば、腫れて痛みがひどくなったり気分が悪くなったり脱力感を感じたりすることがあります。
これらの症状は、身体の中に滞っていた老廃物や疲労物質が血流に乗って身体の外に排出される事から起こる症状なので、身体が良い方向へ向かっているのですから心配いりません。

これらの症状は通常数日で治まりますが、例えば治療後3日程度経っても痛みが引かない場合は、痛みが強く出ている時に再び刺鍼すると、中途半端に弛んでいた筋肉が完全に弛み、痛みがピタリと治まることがあります。

その後は5~7日おきくらいに治療し、
反応が出なくなるまで治療を続けるのが理想です。
一般的に3回程度の施術で何らかの改善が見られれば、ほとんどのケースで完治します(脳や骨自体に異常がある場合を除く)。

5.食事を控え目に

大食は激しい運動と同じように、身体にとっては負担です。

食べる量や回数が多くなると、内臓は休むことが出来ず、自律神経が興奮して首や背中が凝(こ)りやすくなります

腹八分目、減塩・減糖・減肉食を日頃から心掛けることで、体のこわばりも減ってきて、鍼灸治療の効果も高まってきます。

6.お酒は控え目に

  • 日常的な飲酒は、肝臓や腎臓に負担になる事は知られていますが、筋組織そのものを破壊するという事実はあまり知られていません。

アルコールやエタノールは消毒用に使用しますが、体内に入れば常在菌を死滅させ、細胞を破壊すると言われています。

主に薬害で起こる横紋筋融解症と同様に、飲酒もミオグロビンの溶出、速筋繊維の部分的壊死を誘発し、筋委縮による慢性疼痛や筋繊維壊死による筋力低下などを促すと言われています。これらはアルコール筋症(ミオパチー)と呼ばれ、飲酒量が増加するほどに症状が悪化するとも言われています。

例えば、飲酒の翌日に感じる体全体のダルさ、運動をしてもいないのに起こる筋肉痛などがその実例です。

  • よって、治療後の飲酒は筋肉の再生を阻害し、治療効果を無効にしてしまいます。
    また、アルコールは食道や鼻の穴の粘膜を刺激するため、消化器の炎症や潰瘍、蓄膿症、花粉症などを悪化させるとも言われています。
  • また骨粗鬆症学会によると、飲酒・喫煙習慣がある人は骨折のリスクが約2倍高くなるという調査結果を発表しています。
    当然ながら、筋肉の委縮は骨折の他、肉離れや腱・靭帯の断裂、関節部(≒関節炎、水がたまる、半月板損傷など)の異常をも誘発しやすくなります。

7.十分な休息を取る

鍼灸治療後はβエンドルフィンなどの脳内麻薬放出量が増大するため、多幸感や強い眠気を感じることがあります。

また、血流改善によって一時的なめまいや吐き気が出ることがまれにあります。

それは脳と体が回復しようとする自然な反応なので、可能な限り為(な)すがまま、横になったりして休むのがベストです。
遠方から来院される方は、少し休息されて、落ち着いてから帰宅されるのが良いでしょう。

8.体を冷やさない

治療後に冷たい物を飲食したり、身体を冷やすようなことは厳禁です。
折角の治療効果が半減します。
治療後は血流が良くなり、自然治癒能力が向上するので、お風呂や温泉は鍼灸治療の効果を促進出来ます。治療後2~3時間後くらいの入浴が理想的です。

もし内出血した場合は、その部位が腫れたり青アザになることがありますが、特に問題はありません。腫れは数時間で治まり青アザは1~2週間ほどで綺麗に治ります。

治療後は筋肉痛のような深鍼治療特有のダルさが2日ほど続きますが、水分補給をしっかりと行い、適度に温めて血流を良くするようにしておくと抜けやすくなります。

 

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